2018年12月16日日曜日

火花 又吉直樹 芸人だけじゃない表現者【感想ネタバレ注意!あらすじ】。 #COMIC

芸人又吉直樹の書いた作品。わたしは又吉直樹が元々好きで彼が本を書くことを大変心待ちにしていた。彼自身が本が好きなことも知っていた。彼がテレビで太宰治を熱く語る姿、わたしは太宰治も好きだったので目が離せなかった。彼の本はやはり抜群に良かった。まず、構成がしっかりしていた。彼の大好きなお笑いのように最初の掴みとオチがあり、読者は一気に引き込まれ最後にはオチで意外な展開に驚き笑う。読者を知らないうちに笑いの世界に引き込むのだ。そして、お笑い芸人の華やかな世界からは想像できない、苦悩や泥臭さ。売れない下積み時代を経験していて芸人を目の前でたくさん見てきている著者だからこそ描ける描写は、今までの芸人に対する印象さえも変えてしまう。
本が好きな友達に勧めてみよう、芸人が好きな友達に勧めてみよう、普段は本を読まない人が少しでも文学の面白さに気づけるきっかけになるのではないか。そんな風にも感じた。売れている彼だからこそ、批判も多いかもしれないが、彼は文学に興味のなかった人たちに文学に触れるきっかけを与えたと思う。

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