2018年12月20日木曜日

【蜜蜂と遠雷】【恩田陸】音を文字で楽しめました。「文字から音楽が染み出し、本から音が溢れてくるような作品」【感想ネタバレ注意!あらすじ】。 #BOOK

文字から音楽が染み出し、本から音が溢れてくるような作品でした。世の中に多くの楽器がある中で、ピアノというのはメジャーな部類に入ると思いますが、それでもこの本を読むまで知らないことは多くありました。
著者である恩田陸(おんだりく)さんの度重なる取材の様子が伺えます。ピアノコンクールをここまで見事に描写した作品は今まであったでしょうか。
群像青春ものの作品ですが、登場人物1人1人の背景と思いを追体験できたような心地にもなりました。
また、音というものを文字でこれほど色鮮やかに描写することができるのは恩田陸さんならではのことでしょう。個人的には高島明石(たかしまあかし)というキャラクターが好きで、コンクールには多くの若者が参加するなか、会社員として働きながらピアノに向き合う明石の姿にはぐっとくるもにがありました。残念ながら入賞はできませんでしたが、彼が特別賞をとったときには自分のことのように喜んでしまいました。

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