2018年12月22日土曜日

感想・書評『アルジャーノンに花束を・ダニエル・キイスと : 涙なしには読めない作品』ネタバレ注意(レビュー)。 #読書

この作品は、知的障害であるチャーリーという少年がニーマー教授やストラウス博士の精神外科手術によって人工知能を上げるという研究の人体実験の第一人者として手術を受け、天才的な知能を手に入れた話である。
チャーリーが知能を得たことにより、今までのチャーリーの良さであった笑顔や人への優しさが少しずつ失われていく様子がとても悲しかった。この話によって子どもの頃は純粋で難しいことは理解することができなかったことも多かったかもしれないけれど、その分感謝の気持ちや人の気持ちを今よりも考えられていたのではないかと感じた。そのため知能だけあっても決していいわけではないのだと学んだ。
この知能を高めるものは、結局一時的なものでしかなくチャーリーの知能は低下していってしまったが、知能が低下したことにより今まで遠巻きにしていた家族やアリスを理解するようになり、少しずつ以前の笑顔で優しいチャーリーに戻っていく姿は涙なしでは読めなかった。
この作品から知能だけを求めることは、人として何よりも大切なものを捨てなければいけなくなるかもしれず、私たちは知能だけでなく、人とのつながりや共感も大切にしていかなければならないということを学んだ。
ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品。

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